【健康】【本】「新しい腸の教科書」 を読んでみた。内容まとめ
江田証さんの「新しい腸の教科書」という本を読みました。
この記事では本の内容のについてと、感想を書いていきます。
【腸の役割】
◎外の世界からやってくる食べ物や細菌を身体の中で最初に処理する場所で、
得たものを体内のあらゆる場所へ送り出す重要な役割があり、
健康な身体は腸から始まる。
◎身体全体の免疫細胞の約6割が腸内に存在する。
また、腸内の神経細胞は約1億個もあり、腸自らが判断をする第二の脳
と言われるほどの機能をもっている。
◎食事で得た栄養素は主に小腸で吸収される。
小腸の内部には絨毛という突起があり、その絨毛を拡大するとさらに細かい微絨毛という突起がびっしり覆っていて、栄養素を効率よく消化吸収できるようにできている。
小腸では、肝臓でつくられ胆のうから送られる胆汁とすい臓から分泌されるすい液を利用して消化し、栄養素は絨毛内の血管から肝臓に送られる。
◎小腸で消化吸収された残滓(残りかす)を処理するのが大腸。
◎100兆個の腸内細菌が存在し、
「日和見菌」「善玉菌」「悪玉菌」に3分類される。
理想的なバランスは善玉菌:2悪玉菌:1で、
残りの7割である日和見菌は優勢な方に
味方する。
◎人間の情緒に影響するホルモン「セロトニン」は腸で9割つくられる。
※セロトニンには、腸管のぜんどう運動を活発にしたり、
自律神経を整えて心を前向きにする作用がある
【腸がもつ健康への影響】
◎腸内環境の悪化が心に影響を与えることもある。
「うつ」患者には便秘や下痢が多い。
「旅行先で必ず便秘になる」や「会社のプレゼン前にお腹が痛くなる」
等と訴える人の原因は腸と脳をつなぐ脳腸相関のネットワークによるもの。
便秘は、不慣れな環境に脳がストレスを感じ、交感神経が働きすぎることで、
腸の動きが低下して起こる。
緊張する場面での下痢は、興奮(不安)を抑えようと、副交感神経が働きすぎ、
腸の動きが活発になってしまうこと等で起きる。
◎腸内環境は加齢によって自然に悪化していく。
より長く健康を維持するためには、きれいな腸内環境を整える努力が大切。
腸の老化が進んで、腸内環境が悪化してくると、
ガスがたまりやすい状態となり、腸管が伸びたり縮んだりする負荷が大きくなる。
すると、腸粘膜の細胞が疲弊してきて、
細胞同士のつながりが壊れてスカスカになってくる。
通常の腸粘膜は、病原菌や未消化のたんぱく質が血管内に入り込まないように、
ブロックしているが、
スカスカの状態になると、ブロックすべき病原菌等を通してしまう。
この、腸粘膜のフィルターが故障している状態を
「リーキーガット症候群」(=漏れやすい腸)という。
免疫機能が低下してしまうため、あらゆる感染症やアレルギーを発症しやすくなる。
⇒この症状を改善するには、
青魚などに含まれるオメガ3系の油や
抗酸化作用のある緑黄色野菜などをたくさんとり、
アルコールやカフェイン、グルテンといった炎症を起こしやすい食品を避ける事!
また、腸の健康のためにはしっかりと空腹時間をつくること
食事が入ってくると腸の動きは小さくなり、
空腹を感じるあたりの食後4時間ほどで、腸のお掃除タイム(MMC)が始まるので、
食事を連続して続けると、空腹中の腸内のお掃除の時間がとれないず、
腐敗した食べ物が腸内に停滞し、悪玉菌が増える原因になる!!
そして自律神経を整えることが大事!
腸管のぜんどう運動は、自律神経が指令を出しているので、
自律神経のバランスが崩れると腸管の動きを正常にコントロールできなくなる。
→腸内環境の悪化(悪玉菌が増加)で不調を感じる
【食事について】
身体に良いといわれる食品を摂取しても不調な人
へおすすめの食事法
健康な腸にしてくれる4大食品
◆発酵食品(ヨーグルト・味噌・納豆等)
◆オリゴ糖(玉ねぎ・バナナ・はちみつ)
でも、上記のような整腸食を一生懸命食べてもお腹の調子が改善しない人は、
FODMAPと呼ばれる糖質が原因の可能性がある。
◆下の10個のうち1つでも当てはまれば、FODMAPの不調を疑った方がいい
□糖質オフとしてお米を控えているが、お腹が張っている
□パンやパスタを食べた後に下痢したり便が固いように感じる
□牛乳やチーズなどの乳製品を取るとお腹が痛くなる
□毎朝ヨーグルトを食べているのに便秘が治らない
□ごぼう、豆などの食物繊維をとるとガスや下痢・便秘がひどくなる
□納豆・キムチなどの発酵食品をとっても便が出ない
□玉ねぎやニンニクを食べると下痢や腹痛を引き起こす
□きのこ類を食べるとお腹が痛くなる
□りんごや桃、柿を食べるとお腹に不快感を感じる
□キシリトールガムを噛むとお腹がゆるくなる
FODMAPとは発酵性のある4種類の糖質の頭文字を組み合わせたもので、
F「発光性の」O「オリゴ糖」D「二糖類」M「単糖類」A「AND」P「ポリオール」
のことを指す。
このFADMAPという糖質は、小腸の中で吸収がされづらい糖質。
腸に入っていかないため、
小腸内では糖質の濃度が高くなり、
血管から小腸内に水が引き込まれ、
その結果、腸のぜんどう運動が過剰になり、下痢や腹痛を引き起こす。
また、FODMAPは大腸内の腸内細菌のエサとなり、
大量のガスを発生させて、
消化管の動きに障害を与えたり、便秘やおならの原因となる。
お腹の調子の悪い人は、問題を引き起こす可能性の高い、
FODMAPという糖質をできるだけ避けた食事を取り入れる事。
不調だった人の75%が3週間の食事法で改善したという実証データも報告されている。
FODMAPを避けた「低FODMAP食事法」は
①3週間は高FODMAP食品を一切とらない
②その後1グループずつ高FODMAP食品を試す
③食後、何を食べるとどんな症状がでるのか記録して特定する
の3ステップで行う。
この食事法を進めていく中で、
お腹の調子が悪くなければ、高FODMAP食は食べてもOK。
つまり、すべての高FODMAP食品を一生食べられないわけではない。
低FODMAP・高FODMAPの詳しい食材の表はこちらの記事にまとめましたので
ご覧ください
◆高FODMAP一覧
◆低FODMAP一覧
◎SIBOという病気について
腸内細菌のほとんどは、基本的に大腸の中に生息している。
小腸の中にもいるが小腸の細菌は1万個に対し、大腸の細菌は約100兆個なので、
大腸に比べ少ない。
SIBOとは、小腸内細菌増殖症という、
小腸の中で細菌が増殖してしまう病気のこと。
SIBOは加齢による機能低下や小腸の出口であるバウヒン弁(回盲口)がゆるむことで起こる。
本来大腸にいるべき細菌が小腸内に流入し、増殖してしまう。
これにより、本来ガスに耐えうるような構造をしていない小腸内でガスが充満してしま
い、炎症を起こしたり、腸粘膜が壊されるリーキーガット症候群のような症状を起こす。
過敏性腸症候群の患者のうち、約80%がSIBOを併発しているというデータもある。
便秘や下痢、お腹の張りや違和感等が長引くようなら、一度SIBOを疑った方がよい。
→そしてSIBOや過敏性腸症候群の人は整腸食を避けるべき。
小腸の中で細菌が増えすぎると、代謝産物が過剰に産生される。そこに発酵食品や食物繊維を細菌に与えると火に油状態。小腸の中で細菌が増殖し、大量のガスが発生して更なる不調を招く。
過剰に菌が増えた小腸のなかでは、整腸食は味方ではなく、敵になりうる。
以上、「新しい腸の教科書」の内容まとめました^^
少しでも参考になれば幸いです。